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エレクトロニクス業界、変化を機会に。Electronics Weekly

こんにちは。Aalto International の福井です。

Aaltoでは、Your Global Teamという、企業の拡張チームのようなスタイルで、技術企業のグローバルでのプレゼンス構築を支援しています。Aaltoは、世界の技術業界のメディアや影響力を持つ人々とのネットワークを持ち、技術企業の世界への発信、協業の促進を通して、技術の発展に貢献することを目指しています。

これまでの活動を通して、Aaltoと繋がりを持つ人々の業界の知見を皆さんと共有したいと思ってきました。特に、コロナ禍以降、これまでの情報発信が見直される中、グローバルで何が起きているのかについて、日本の皆さんに知ってもらう必要があると感じていました。

そこで、第1回目として、ヨーロッパで最も確立した地位を持つエレクトロニクスメディアElectronics Weeklyにお話をいただきました。

Electronics Weeklyは、業界トピックスの分析や洞察に優れた編集部によって運営されており、グローバルでエレクトロニクス業界の読者から敬意を示されている質の高いメディアです。

今回、企業広告やPRで協働しているElectronics WeeklyのSteven Ray氏と編集部チームに、日本企業に向けて貴重なメッセージをいただいています。

目次 
▼Electronics Weeklyとはどのようなメディア?
▼エレクトロニクス業界のコロナ危機と変化
▼エレクトロニクス業界で編集部が今関心を持っていること
▼日本企業とElectronics Weeklyの協働の可能性は。各記者からのコメント

Electronics Weekly とは

Electronics Weekly は 1960 年 9 月にイギリスで創刊された、エレクトロニクス業界でも最も長い歴史を持つメディアです。60 年以上にわたってエレクトロニクス、エンジニアリングに関するニュース、最新の製品、分析、イノベーション、開発に関する記事を提供しています。

雑誌版に始まり、その後、1990 年代初頭にオンライン版www.electronicsweekly.comがローンチし、高品質で信頼性が高いコンテンツによって、今では世界中のほぼすべての国から年間 150 万人以上のユーザーが訪問しています。 Electronics Weeklyは、Panasonic、Samsung、HITACHI、TOSHIBAなどのあらゆる産業分野の多国籍企業から中小企業、Arrow、RS、Mouser、Farnell、Digi-Key、Avent などの代理店やディストリビューターとも協働しています。

メディア広告の観点では、信頼性のあるメディアとしてのポジションから、エレクトロニクス業界で企業がブランド認知を高め、サイトへのトラフィックを促進し、製品やサービスの周知、Thought Leadershipの機会、質の高いリードを生み出すメディアとして機能しています。

世界のエレクトロニクス業界の企業では、コロナ禍でどのような変化がありましたか。

ヨーロッパやアメリカを中心に、コロナ禍でイベントがキャンセルや延期されたため、エレクトロニクス企業においては、新製品の発表、最新の開発、顧客開拓において、新たな方法で情報を入手することが求められました。

その背景から、信頼性の高い情報源にニーズが集まり、オンライン版Electronics Weeklyではパンデミックの渦中に、非常に高いトラフィックと、ユーザーエンゲージメントを記録しました。そして、 バーチャルイベント、デジタルコミュニケーションが爆発的に増加し、デジタルへのシフトが加速しました。

中止になったイベント予算は、ウェビナー、バーチャルイベント/セミナー/ラウンドテーブル、バナーやメールなどのデジタル広告、リードジェネレーションなど、他のフォーマットのメディアプロモーションに配分されるようになりました。

一部の企業は、競合他社の一歩先を見据えて需要に対応し、コロナ禍が落ち着いた際に想起されるよう、認知度を向上させる取り組み (デジタル広告とマーケティング) に取り組み、この変化を機会として活用していました。一方、危機の中、施策を取り下げて、状況が落ち着くことをただ待っていた企業は、コロナ禍で撤退したように映り、その存在感を失っています。

成功している企業は、単に新製品を売り出すだけでなく、コロナ渦の顧客にとっての差し迫ったニーズに対するソリューションに関するコミュニケーションを実施していました。顧客を第一に考えることは、コンテンツ マーケティング、ウェビナー、リードジェネレーション、コミュニケーションで効果を出すために、重要なアプローチです。

メディア、広告、イベント観点で、コロナ禍では、影響や変化はありましたか。

メディア
コロナ禍で、より購入や設計に関する重要な意思決定に役立つ、高品質で信頼性が高く、独立した信頼できるコンテンツを求める人が増えました。そのため、Electronics Weeklyのプリント版は、情報、ニュース、新しいサプライヤーの発掘に対する高まるニーズに対応し、読者がオフィスではなく、在宅勤務でもで情報を入手できるよう、デジタル購読に力を入れました。

Electronics Weekly では、企業がウェビナー、リードジェネレーションプログラム、コンテンツマーケティングなどを通じて情報入手ができるよう、フォーマットとサービスを適応させました。

広告パフォーマンスへの影響
広告予算を維持、増額した企業では、広告のパフォーマンスと効果が大幅に向上しています。サイトへのトラフィックが大幅に増加した企業もあれば、マーケティング施策を削減した広告主は、トラフィックのシェアが一晩で低下しました。このパターンは全セクターで一貫しています。広告を減らすと、代わりにトラフィックが競合他社に行きます。そしてこれは、短期および長期の両方の収益に影響を与えます。

コロナ禍で、記録的なレベルの読者とトラフィックにリーチできる機会を活用し、広告施策を続けたり、増加させた企業は、通常の取引条件よりも、はるかに迅速に、より多くの市場シェアを獲得する機会が得られています。

イベント
私たちElectronics Weeklyが主催するエレクトロニクス業界のイベントThe Elektra Awardsは、2021年3月に初めてのバーチャルイベントを実施しました。イベントは、参加者の3,400 を超えるチャット、1.5 時間以上の滞在となり、世界中のエレクトロニクス業界の参加者の新しいつながりが生まれました。スポンサーや参加者からは、これまで参加した中で最高のオンラインイベントと評価され、フィードバックはとても肯定的なものでした。

このバーチャル イベントの成功により、次回のThe Elektra Awardsは、2021年12月1日にリアルとバーチャルの両方のハイブリッドイベントとして開催することを決定しました。

Electronics Weekly の親会社であるEmapは、リアルからバーチャルへのシフトに迅速に適応しました。この1年で、50を超えるバーチャルイベントを実行し、スポンサーと参加者に素晴らしい体験を提供することができるエキスパートになったといえます。

コロナ禍でのキャンペーンの成功例はあったのでしょうか。

私たちは、コンテンツを求める人々の増加に伴って、同じ期間のキャンペーンのパフォーマンスを分析し、市場からのニーズの増加が広告のパフォーマンスにどのように反映されるかを検証し、ケーススタディにまとめました。

不況や危機の際に広告を増やすことは、広告の削減に比べて、短期的にも長期的にもプラスの結果をもたらすと信じられてきましたが、それは本当なのか、今回、実際のデータを用いて理論をテストしたかったのです。

検証では、全キャンペーンの全セクターで一貫したパターンが見つかりました。 ある例では、バナー広告とクロスプラットフォーム予算を維持した企業は、トラフィックが 560% 増加しましたが、90% 予算を削減した競合他社は、即座にトラフィックの大きな減少が見られ、さらにトラフィックシェアは 60% から大きく減少しました。そして、予算を削減した企業のトラフィックが、予算を増加した企業に流れていることが見られました。

ケーススタディ詳細はこちらから確認できます。

Electronics Weekly 編集部の関心を教えてください。

私たちは、エレクトロニクス業界に関して、グローバルであらゆる側面から情報収集し、執筆しています。
各分野のトピックは、製品だけではなく、材料からアプリケーションまで幅広く取り扱っています。

一般的な関心トピック:

1. EVs
2. A.I.
3. Android
4. 5G
5. Diversity
6. STEM and education
7. Young engineers
8. Industry 4.0
9. Space

今、特にニュース価値のあるトピック:

1. Chip shortage
2. China’s efforts to catch up in chips
3. Intel’s new CEO and thrust to catch up in chip process technology
4. USA and EU attempts to increase chip manufacturing capacity
5. Effect of Arm being taken over by Nvidia and regulatory issues
6. Growth of GaN and SiC
7. New IC products
8. Innovative IC applications
9. New reference designs
10. Research
11. Supercomputing

私たちは、エレクトロニクスに関するあらゆるトピックに加え、デジタルアクセラレーション、量子コンピューティング、AI、サイバーセキュリティにも注目しており、これらは、日本が有利なスタートを切ることができる分野だと思います。

日本企業とElectronics Weeklyの協働の可能性はありますか。


コロナ禍では、グローバルで前例のない機会が生まれています。伝統的なヨーロッパ、アメリカのブランド企業が市場でのリソースを引き下げているため、積極的に取引先企業を探している情報への需要との間に大きなギャップが生じています。

Electronics Weeklyのトラフィックの増加に見られるように、多くの分野で需要が供給を上回っているため、製品、新しいサプライヤー、選択肢を必要とする多くのオーディエンスにリーチするチャンスは、これまでになく高まっています。これは、日本企業がプレゼンスと認知度を高める大きな機会と言えると思います。

企業ブランドは、購買者の意思決定プロセスの重要な部分です。人は自分がよく知っている、認識しているものを好む傾向があります。検証したデータでも、 広告の成功における2つの最重要要素は、広告で使用されている画像と、企業ブランドとなっています。企業ブランドの構築は、日本企業にとって、今後強化していく必要のある課題ともいえます。

私としては、日本企業について、欧州からの視点で、日本が中国などの国とどのように競争していくのかについて、関心があります(欧州企業にとって、中国や韓国ではなく、なぜ日本企業と取引する必要があるのか?という理由が必要になってくるでしょう)

最後に、日本に関して興味のあるトピックをElectronics Weekly編集チームにも聞いてみました

記者David Manners
(最も経験豊富で業界で広く尊敬されている記者):

日本に関する大きな注目としては、政府がどのようにチップ産業の再興を支援するかです。チップデバイスと材料のサプライヤーの基盤がTSMCに集まっており、日本の半導体の世界でのマーケットシェアが約6%に落ちている中、1986年の50% 以上のシェアに戻すには、長い道のりとなります。この取り組みに関する情報は私たちにとって興味深いものです。


記者Alun Williams

日本の宇宙に関する取り組みに関するトピックは、私たちが記事として取り上げるフックになり、とても関心があります。これまでにJAXAについても数回執筆しており、先日、JAXA、タカラトミー、ソニーグループ、同志社大学の共同発表についても記事執筆をしました。

記者Steve Bush

私は、日本の半導体、電子部品企業の製品について、定期的に記事を書いています。ルネサスはAutomotive processors、ロームはPower、村田製作所はPassive componentsに強く、注目しています。情報収集したい日本の企業は多くありますので、日本企業からもっと情報発信があればと思います。さらに日本の大学の研究についても、興味深いトピックとして注目しており、これまでにも執筆しています。

プロフィール:

Steven Ray
Commercial Director for Electronics Weekly

Steven Ray氏は、グローバル、国内、ローカルのB2BとB2Cメディアのシニアレベルで 30 年以上の経験を持つ。デジタルメディア イノベーションの最前線で活躍しており、広告、オーディエンスエンゲージメント、デジタル、トレンド、ベスト プラクティス、分析に関するセミナーで講演や、ホワイトペーパーの著者としても知られている。

取材:2021年5月時点 Aalto International 福井 麻里子

Electronics Weeklyについて www.electronicsweekly.com

エレクトロニクス業界のニュースと情報の主要な情報源として、グローバルの様々な分野で、イノベーション、製品について記事を執筆しています。 オーディエンスは、主要な意思決定者、上級リーダー、購入者、エンジニア、インフルエンサー、そして愛好家、企業、学生、研究者などで構成され、世界中のエンジニアや意思決定者に愛読されています。

プリント版、デジタルマガジンに加えて、主要メディアチャネルであるソーシャル メディア、メール ニュースレター、ビデオ、ライブイベントを通して、読者に情報を届けています。

The Elektra Awards

Electronics Weeklyは、エレクトロニクス業界で最も権威のあるElektra Awardsを主催しています。世界中の聴衆、スポンサー、業界のすべての部門からのエントリーを備えた、世界のエレクトロニクスにおける最高の製品などを表彰する賞となっており、2022年には20周年を迎える歴史ある確立したイベントです。

本イベントは、シニア レベルのネットワーキングの機会と、ブランド構築の機会で高く評価されています。 2021 年のイベントは、リアルとバーチャルのハイブリッドイベントになります。応募作品は、権威ある独立した業界専門家のパネルによって審査されます。

賞の応募等詳細についてはElektra Awards概要ページをご覧ください。
次回の応募は、2021年8月2日が締切となっています。

EW BrightSparks Young Engineer Awards

Electronics Weekly は、EW BrightSparks Young Engineer Awardsを主催しています。今年で 4 年目になる EWBS プログラムは、毎年、大学で、または最初の役割で、業界の主要なエンジニアやイノベーターになる優れた若いエンジニアグループにスポットライトを当てるように作られています。これは、エレクトロニクス業界が、いかにイノベーティブ、クリエイティブで刺激的であるかを示し、より多くの若者がエンジニアリングをキャリアとして始めることを奨励することを目的としています。

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Mariko Fukui / 福井 麻里子

Mariko Fukui / 福井 麻里子

Press contact Founder, CEO AALTO INTERNATIONAL &Co.

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Aalto International 第8期へ

Aalto International 第8期へ

<AaltoIn Noteより抜粋>
Aalto International Japan株式会社は、2021年5月から第8期に入りました。
創業時から、これまでの7年間を支えてくださった皆様に、感謝の気持ちでいっぱいです。

Aaltoという、はみ出した会社
Aaltoは、フィンランド語で『波』を意味します。世界の大陸をつなぐ海で、波の創り手でありたいという想いを込めて誕生した会社がAalto Internationalです。グローバルニッチ技術を持つ企業が多い京都に、本社を置いています。



創業時からあるコーポレートマークのAの足は、枠から外に出ており、箱の中に収まりきらない発想を持つこと、内と外を繋ぐという意味を込めています。
Aaltoは、技術の分野で未来を創ることを志して、技術企業の国際間のコミュニケーションを支援し、

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